雑穀はなぜ健康に良いのか

世界の長寿食

日本は平均寿命世界一です。日本の伝統的食生活はいまや長寿の秘訣として注目されています。さて世界の長寿地域の食生活はどうなっているのでしょうか。

鷹觜テル著「健康長寿の食生活」−足で求めた人間栄養学35年−によると、

『旧ソ連のコーカサス(グルジャ・アゼルバイジャン)地方は、100歳以上の長寿者が多いところです。世界一の長寿国となった日本でも、100歳以上のお 年寄りの割合はこの地方には及びません。ここに住む老人たちはいずれもイスラム教徒の信者で、豚は絶対に食べず、野菜を豊富にとっています。主にあらびき したトウモロコシの粥、玄米の黒パン(ライ麦粉・フスマ.イーストなど)、皮つきのジャガイモ、玄小麦粉の平板焼きなど。どれもビタミンEが多くふくま れ、他にヨーグルト、ヤクルトや蜂蜜、豊富な果物、お菓子が少ないので、木の実やひまわりの実、胡麻をよく食べます。』

『パキスタンのフンザを見ると、生産食品は雑穀が主ですが、食料が不足なため、皮も胚芽も捨てず全粒粉を利用しています。主食はチャパティが主であり、小 麦.大麦.そば.きびからつくられます。野菜は夏は豊富にできますが、冬はジャガイモ・カブ・乾燥野菜・果物に依存する程度です。肉類はほとんどたべませ んが、牛の一種であるヤクのチーズやヨーグルトを愛用しています。果物ではアンズを食べ、夏は生で、冬は乾燥させて食べます。嗜好品は葡萄酒、珈琲やお茶 の代わりに薬草を畑に植え、乾燥させ自家加工して愛飲しています。』

『日本では長寿村と言えば、山梨県の棡原が有名です。山梨県の東端にある農山村で全国的にも珍しい夫婦そろった長寿村と折り紙がついています。ここの食事 は麦食文化です。蛋白質は自然飼育の鶏卵・川魚を食べ、加齢とともに植物性蛋白質・豆類に依存します。豆食文化ともいえます。フスマの利用は、先人の知恵 でもあり、老化防止に役立ちました。五穀を食べ、里芋を主食として特産品の冬菜(コマツナ)など野菜も豊富にとっていました。さらにみそ、納豆、酒まん じゅうの発酵食品の利用、こんにゃくの生産日本一でもあります。』

どの長寿地域も
◆雑穀や未精製の穀類の多用(ビタミンEや食物繊維)
◆豊富な野菜(ビタミン類)
◆発酵食品の利用(腸内の環境改善)
◆果物・木の実の利用(ビタミンE)
など、共通してみられる要素がありました。また坂道が多く、歩行により足腰が自然と鍛えられています。

昔からその土地にあるものを自分の手で調理しておいしく食べることが、健康で長寿の秘訣のような気がします。

参考図書 鷹觜テル著「健康長寿の食生活」−足で求めた人間栄養学35年− 
食べ物通信社発行/本の泉社 発売